カテゴリ:売却・住み替えのQ&A / 投稿日付:2026/08/06 00:00
隣地と共有でブロックがある場合の
売却時の注意点
境界上のブロック塀が隣地と「共有」になっている物件は、告知・境界確定・老朽化対応の3点を怠ると引き渡し後のトラブルに直結します。売却前に確認すべきポイントを整理しました。
境界線上に塀があり、双方の土地にまたがって設置されている=共有物となるケース
不動産を売却する際、意外と見落とされがちなのが「境界のブロック塀」に関する問題です。特に、隣地の所有者と塀を共有している「共有ブロック塀」がある場合は、事前の確認と準備を怠るとトラブルや契約解除、値引き交渉の原因になりかねません。今回は、共有ブロック塀がある土地・戸建てを売却する際に押さえておきたいポイントを解説します。
01共有ブロック塀とは
境界上に建てられたブロック塀の中には、双方の土地にまたがって設置され、費用も折半で建てたことなどから、隣地所有者と共同で所有している「共有物」として扱われるものがあります。これに対し、どちらか一方の敷地内に完全に収まっている塀は、その所有者の単独所有となります。
見た目だけでは所有関係を判断できないケースも多く、売主自身が「自分だけの塀だと思っていたら実は共有だった」ということも珍しくありません。まずは自分の物件の塀がどちらに該当するのか、正確に把握することが第一歩です。
02なぜ売却時に注意が必要なのか
買主への説明義務がある
共有物である塀の存在は、買主の意思決定に影響を与える重要事項です。宅地建物取引業法上、境界や越境物に関する事実は重要事項説明の対象となるため、仲介会社を通じて正確に告知する必要があります。説明が不十分なまま契約を進めると、引き渡し後に「聞いていなかった」としてトラブルに発展するおそれがあります。
塀の修繕・撤去・建て替えに隣地所有者の同意が必要
共有物である以上、塀の修繕や建て替え、撤去には隣地所有者の同意が原則として必要です。買主が将来的に塀を建て替えたい、あるいは撤去して新しい塀を設置したいと考えても、単独では判断できません。この点を事前に説明しておかないと、購入後に買主が想定外の制約に気づき、クレームにつながることがあります。
老朽化した塀の維持管理責任
ブロック塀は経年劣化により倒壊のリスクがあり、近年は地震の際の事故を受けて安全性への関心が高まっています。共有の塀が老朽化している場合、修繕費用の負担割合や責任の所在を巡って、売却後に買主と隣地所有者との間でトラブルになるケースも見られます。売主として把握している劣化状況や過去の補修履歴があれば、事前に開示しておくことが望ましいでしょう。
境界確定・越境の有無への影響
共有ブロック塀がある場合、境界の位置そのものが曖昧になっていることもあります。塀の中心線が境界なのか、塀全体がどちらかの土地に越境しているのか、測量図と現況が一致しているかを確認しておく必要があります。境界が不明確なまま売却すると、後日買主と隣地所有者との間で境界紛争に発展するリスクがあります。
03売却前に売主が行っておきたい準備
- 塀の所有関係を書面で確認する隣地所有者との間で共有の合意書や覚書が交わされていないか確認しましょう。存在しない場合は、可能な範囲で口頭確認の記録を残しておくと安心です。
- 境界確認書・確定測量図の有無を確認する境界確認書がない場合、売却前に隣地所有者立会いのもと境界確定測量を実施しておくと、買主も安心して購入でき、価格交渉における不利な材料を減らせます。
- 塀の劣化状況を点検するひび割れ、傾き、鉄筋の露出などがないか目視で確認し、必要であれば専門業者に診断を依頼しておきましょう。
- 仲介会社に早めに共有事実を伝える重要事項説明の準備や広告表現に関わるため、共有ブロック塀があることは媒介契約の段階で仲介会社に伝えておくことが重要です。
- 隣地所有者との関係性を確認しておく将来的なやり取りが発生することを踏まえ、隣地所有者と良好な関係が保たれているか、過去にトラブルがなかったかも確認しておくとよいでしょう。
04まとめ
隣地と共有するブロック塀がある物件の売却では、所有関係の確認、買主への正確な告知、境界の明確化、老朽化状況の把握が重要なポイントとなります。これらを事前に整理しておくことで、契約後のトラブルを防ぎ、買主に安心感を与えることができ、結果として円滑な売却につながります。
境界や共有物に関する調査は専門的な判断を要する場面も多いため、不安な点があれば早めに不動産会社や土地家屋調査士へご相談ください。



